山口大など、環境DNAでアユの知られざる産卵実態を解明

発表日:2021.06.03

山口大学と福岡工業大学の研究チームは、環境DNA調査・分析により、アユの産卵期のピークや、産卵場の利用状況、これまで知られていなかったアユの産卵場所を発見した。山口大学は2018年7月に環境DNA研究センターを立上げ、環境DNAを用いた分析・解析技術の開発などを推進している。今回、水産分野における応用研究の一環として、島根県西部を流れる「高津川」においてアユの生息・産卵実態の全容把握に向けた調査を実施した。2018・2019年の2年間、9~12月にかけて、高津川の河口から約10 kmまでの範囲におけるサンプル採集(採水量:1L、試料:日没前・日没後)を行い、環境DNA量(濃度、フラックス)を分析した結果、従来の生息調査(個体採集、潜水目視)で重要な産卵場と見られていた3つの浅瀬において、日没後(夜間)にアユに由来する環境DNA量が増加していることが分かり、年によって産卵期のピークが異なることや、産卵場の利用状況が異なることも明らかになった。また、水深のある平瀬やトロ場の一部でも同様の環境DNA量増加が認められ、アユの産卵場所には浅瀬が適しているという既成概念を覆す新知見が得られた。

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