千葉大学の研究グループは、金属を含まない素材で金色調・ブロンズ調の光沢を出せる水性塗料(染料)を開発した。同グループは、非金属でありながら金色に輝く素材の開発や、新素材の応用展開に関する研究を進めており、2014年以降、3-メトキシチオフェン重合体の金色調発現機構と加飾応用のための研究基盤確立に取り組んできた。今回、既往研究の成果を発展させつつ、市販されている金属光沢調塗料・インキの問題点を克服するために、金属の微粉末を含まない・沈殿を起こさない・腐食が生じない・塗工膜が重くならないといったコンセプトで、塩化物イオンをドープしたチオフェン重合体(以下「チオフェン重合体」)で染料を作製し、その特性評価を行った。その結果、チオフェン重合体に由来する塗工膜は自己組織化によって規則的に結晶構造を形成し、個々の微結晶の有する光学的な特性により光沢のある金属調を呈することを見出した。塗工膜は水に容易に溶解し、脱水後は不溶となることも確認できており、環境にやさしい金色調塗料として、塗装・印刷業界のみならす、より精密な有機電子材料分野への展開可能も期待できるという。