(独)水産総合研究センターは、人工的に生産した造礁サンゴ幼生を高い生残率で着生・生育させるサンゴ増殖技術を開発したと発表した。近年、沖縄を含む世界中のサンゴ礁域で、造礁サンゴに共生する藻類が失われる白化現象やオニヒトデの大量発生などによりサンゴ群集が衰退し、サンゴ礁に生息する魚介類も減少している。今回、生残率を高めるために、幼生の着生密度のコントロール、格子状サンゴ増殖用基盤を2段重ねとする、格子サイズの小型化などの対策をとって、人工的に生産したミドリイシ属サンゴの幼生を樹脂製のサンゴ増殖用基盤に海中で直接着生させた。着生から約1年3か月後に、10群体/100cm2以上の高密度(生残率46%)、平均生残率18.1%と従来の値を大きく上回る高い生残率を世界で初めて確認することができた。この成果から、サンゴ幼生が着生可能な岩盤が乏しい砂地やガレ場のような場所でも、手間をかけずにサンゴ群集を修復・造成させることが可能となり、局所的なサンゴ再生法としてサンゴ礁の修復保全に大きく役立つことが期待されるという。なお、同成果は、水産庁の「厳しい環境条件下におけるサンゴ増殖技術開発実証事業」と(株)ダイクレとの共同研究「サンゴ着生・生残に資する基盤構造物の開発」によるものである。
情報源 |
水産総合研究センター プレスリリース
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機関 | 水産総合研究所センター(現:水産研究・教育機関) |
分野 |
自然環境 |
キーワード | サンゴ礁 | 白化 | オニヒトデ | 幼生 | サンゴ | 修復 | 水産庁 | 保全 | 水産総合研究センター | 再生 |
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