国立環境研究所は、霞ヶ浦における湖水中および淡水魚類の放射性セシウム(Cs)減衰パターンを解明した。湖水や魚類中の放射性物質濃度は、汚染後1~数年間で速やかに低下し、その後、減少速度が小さくなり変動しながらゆるやかに下がる。しかし、この変動が季節的なものなのか、季節的なものであるとしたら夏の低層の貧酸素状態と関連するのかなど明らかになっていなかった。一方、湖底に吸着した放射性Csは、深い湖で、湖底付近の貧酸素が続くことにより溶出するとの先行研究があるが、霞ヶ浦のような浅い湖は、風により表層と低層が混合しやすく、貧酸素状態が続かないことから注目されていなかった。今回、同研究所は、東京電力福島第一原子力発電所事故から5年間にわたる霞ヶ浦の調査での結果、湖水や魚類(ワカサギ)の放射性Cs濃度は、夏季にわずかに上昇し、季節変動しながらゆっくり減少することを明らかにした。夏季に底層溶存酸素濃度の低下も分かっており、放射性Csの溶出が、浅い湖においても湖水中および魚類中の放射性Cs濃度の季節変動に影響を与える可能性も考えられるという。
情報源 |
国立環境研究所 新着情報
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機関 | 国立環境研究所 |
分野 |
健康・化学物質 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | 国立環境研究所 | 霞ヶ浦 | 溶存酸素 | 淡水魚 | 底層 | 放射性セシウム | 季節変動 | ワカサギ | 東京電力福島第一原子力発電所事故 |
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