環境省は7月1日から8月31日までの期間、(一社)日本パブリックビューイング協会の協力のもと、全国21カ所の大型ビジョンを活用し、熱中症特別警戒アラート、熱中症警戒アラート、暑さ指数(WBGT)などの情報をリアルタイムで市民に届ける取り組みを行う。
熱中症は近年、気候変動の影響もあり、毎年数万人が救急搬送され、死亡者数も5年移動平均で1,000人を超える深刻な健康課題となっている。こうした背景を受け、2024年4月には改正気候変動適応法(平成30年法律第50号)が全面施行され、従来の熱中症警戒アラートに加え、より深刻な状況に対応する「熱中症特別警戒アラート」が新設された。──今回の施策は、2021年度から継続している大型ビジョンによる情報発信の拡充版であり、都市部を中心に設置された高視認性のスクリーンを通じて、地域ごとの警戒情報を1時間あたり2回、15秒ずつ放映する。対象地点は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡など全国主要都市に広がっており、地域住民や通行者が即座に情報を得られる環境が整備される。
暑さ指数(WBGT)は、気温・湿度・輻射熱を統合した指標であり、熱中症リスクの判断に用いられる。これらの情報を視覚的に提示することで、屋外活動の抑制や水分補給の促進など、市民の行動変容を促す効果が期待されている。