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 (独)国立環境研究所、窒素飽和状態にある森林域からの窒素流出に係る研究プロジェクトの成果報告書を公表

発表日:2014.03.25


  (独)国立環境研究所は、特別研究プロジェクト「窒素飽和状態にある森林域からの窒素流出負荷量の定量評価および将来予測」(研究代表者:林 誠二)の成果報告書を公表した。人為起源の窒素化合物が大気汚染を介して大量かつ慢性的に森林に流入すると、生態系が窒素過剰状態に陥り、渓流水への硝酸イオン流出量の増大により、下流域の水質悪化や、カルシウムなど栄養分の流亡などの影響を及ぼすことが問題視されている。同報告書は、1980年代から窒素飽和状態が持続していると考えられる茨城県筑波山において実施した調査に基づき、過去と現在の渓流水中硝酸イオン濃度の比較、下流域である霞ヶ浦への硝酸性窒素流入負荷に対する森林域の寄与の推定、カルシウム欠乏による森林衰退の可能性の検討など、森林域における窒素飽和の推移や進行を10年単位での長期比較に基づいて具体的に明らかにした。同研究所では、森林の窒素飽和の現状と影響を評価する基礎データとして、森林管理や水質保全に関する研究および行政に役立つことが期待されるという。

情報源 (独)国立環境研究所 報道発表
機関 (独)国立環境研究所
分野 水・土壌環境
キーワード 森林 | 国立環境研究所 | 霞ヶ浦 | 窒素化合物 | 窒素 | 硝酸 | 渓流 | 筑波山
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