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 北大、食物連鎖を通じた魚類へのマイクロプラスチックの移行を解明

発表日:2021.01.29


  北海道大学は、魚類が摂取するマイクロプラスチック(以下「MPs」)は、海水から直接取り込まれるよりも、餌を介して取り込まれる量が多いことを解明した。同大学は、海洋生態系における食物連鎖(捕食・被食関係)の視座から、これまで未解明であった魚類のMPs摂取経路の相対的な重みなどを検証した。同大学北方生物圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所に、粒径 30 µm の蛍光ポリエチレン粒子を用いてMPs濃度を調整した水槽(低濃度:200 μg/L、高濃度:2,000 μg/L)を設置し、給餌条件を変えて肉食性魚類シモフリカジカの飼育実験を行った。その結果、海水中のMPsに由来する摂取量(以下「直接摂取量」)や、MPsに曝された餌生物である小型甲殻類(イサザアミ類)に由来する摂取量(以下「間接摂取量」)が判明した。間接摂取量は、個体数ベースで8~11倍、質量ベースでは 3~5 倍(直接摂取量比)であり、また、餌生物がMPsを細粒化し、比較的小さな粒径のMPsが魚類に取り込まれていくことも明らかになった。これらからMPsが多様な形で高次消費者に負の効果を与える可能性が指摘された。

情報源 北海道大学 新着情報
機関 北海道大学
分野 地球環境
ごみ・リサイクル
自然環境
キーワード 食物連鎖 | 海洋生態系 | マイクロプラスチック | 飼育実験 | 摂取経路 | 北方生物圏フィールド科学センター | 蛍光ポリエチレン粒子 | カジカ | アミ | 高次消費者
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