福島大学などの研究グループは、帰還困難区域内のため池における放射性セシウム(Cs137)の動態を解明した。同大学の特任教授らは、ため池の水の濁り成分・水に溶けた状態のCs137の継続的な測定を行い(調査期間:2015年~2019年)、濁り成分および水に溶けたCs137はともに減少していること等を明らかにした。また、同研究グループは、Cs137が濁り成分に吸着している割合(分配係数)を求め、このため池の分配係数はチェルノブイリの貯水池で得られた値より高いことが分かり、濁り成分がCs137をより吸着していることを突き止めた。チェルノブイリに比べ、細かい粒子が多く、Cs137を強く固定する鉱物が含まれていることが明らかになったが、水に溶けにくいことが知られる高濃度放射性セシウム含有微粒子からのCs137の溶出も考えられることから、今後も継続的な観測や室内実験による検証を行い、Cs137の動態を明らかにしていくという。
情報源 |
福島大学 ニュース&トピックス(PDF)
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機関 | 福島大学 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 吸着 | 貯水池 | ため池 | 鉱物 | 放射性セシウム | 福島大学 | チェルノブイリ | 帰還困難区域 | Cs137 | 分配係数 |
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