京都大学は、1886年の論文で使用された「イボカワニナ」の標本を検討し、現在イボカワニナと認識されている種と異なることを発見した。カワニナ属はゲンジボタルの幼虫が餌とすることで知られており、琵琶湖では種の多様性を遂げて15種類の固有種が確認されている。今回、1886年の論文ではイボカワニナの生息環境が「主に琵琶湖周辺の小川や水田」とされているのに対し、現在では「琵琶湖のやや深い場所」と認識されていることから、所在不明となっていた「タイプ標本(学名の基準として指定された標本)」を捜査し、分類学的地位についての検討を行った。同大学はセンケンベルグ自然博物館からタイプ標本(38個)を発見し、この中に、現在イボカワニナと認識されている種が含まれていないことを確認した。これは現在イボカワニナと認識されている種は、別種であることを示し、現在イボカワニナとして認識されている種を新種の「サザナミカワニナ(Semisulcospira davisi)」として発表した。殻表面に漣状の細かな縦方向や横方向の彫刻を持つことなどで区別できるという。
情報源 |
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機関 | 京都大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 京都大学 | 固有種 | 新種 | 琵琶湖 | 標本 | 種の多様性 | タイプ標本 | イボカワニナ | センケンベルグ自然博物館 | サザナミカワニナ |
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