京都大学は、日本におけるコウモリ類の研究進展と保全活動のギャップと、将来優先すべき研究課題を特定した。日本のコウモリ類は、34%が固有種で、そのうち90%が絶滅危惧(あるいはデータ不足)と国際自然保護連合(IUCN)が指定していることから、世界的な関心は高いものの、網羅的・系統的な文献調査に基づくレビューは行われていなかった。今回、IUCNのカテゴリーごとに過去50年間のコウモリの保全に関わる研究論文を体系的にレビューし、研究の分布パターンを評価した。その結果、研究による知見は蓄積されている一方で実際の保全状況に変化がなく、絶滅危惧種・固有種についての研究は少数であった。特に、生態学的な研究、保全に関する研究はそれぞれ約50%の種で不足(1種について論文が1編以下)していた。10種の固有種(オガサワラオオコウモリなど)の研究を優先的に進めなければならないと考えられ、今後、種ごとの絶滅の兆候についての情報、生息に必要な条件、個体群動態や適切な保全戦略が提供されることによって、日本におけるコウモリ類の保全は強化できるという。
情報源 |
京都大学 Latest research news
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機関 | 京都大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 京都大学 | 絶滅危惧種 | IUCN | 固有種 | オガサワラオオコウモリ | 研究課題 | 保全活動 | 保全戦略 | コウモリ | システマティック・レビュー |
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