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 琉球大など、気候変動条件下におけるサンゴの適応可能性について報告

発表日:2021.05.28


  琉球大学を中心とする研究グループは、温暖化後に世界中のサンゴ礁海域で起こると予測されている環境下でサンゴが適応進化したことを示す手がかりを発見した。同大学は、2012~2017年にかけて「パラオ国際サンゴ研究センター」と共同研究を行ってきた。今回、共同研究において見出した半閉鎖性海域(ニッコー湾)の環境特性を評価したところ、同湾の海水温は湾外よりも1~2℃高く、海水のpHが0.3~0.4低い状態で維持されており、こうした環境は海水がとどまり、太陽光を受けて熱せられ、サンゴ類の代謝が活発化することで創出されていることが明らかになった。一方、生物群集構造を調べた結果、サンゴ種の多様性は高いものの、一般的に見られるミドリイシ属のサンゴ種が少ないといったことも分かった。さらに湾の内外で多く見られたサンゴ種を用いて交換移植実験を行った結果、湾内のサンゴ種は高水温・高CO2(低pH)に耐性を有することが示唆された。引き続き適応メカニズムの詳細解明に取り組むことで、長期的な観点からのサンゴ礁生態系保全策に資するヒントが得られるという。

情報源 琉球大学 Research Contents
機関 琉球大学
分野 地球環境
自然環境
キーワード 温暖化 | 海洋酸性化 | サンゴ礁生態系 | 適応進化 | 生物群集構造 | パラオ国際サンゴ研究センター | 半閉鎖性海域 | ニッコー湾 | 交換移植実験 | ユビエダハマサンゴ
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