新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)は、「バイオジェット燃料生産技術開発事業(事業期間:2017~2024年度)」を通じて製造された「持続可能な代替航空燃料(SAF; Sustainable Aviation Fuel)」を2021年6月17日に東京国際空港から出発する2便に供給した。同事業は、バイオ燃料の一貫製造技術に関するパイロットスケールでの検証や、2030年頃を目途とするバイオジェット燃料製造技術の商用化などをねらいとするもの(委託事業)。これまで、木質セルロースなど固形物をガス化炉で水蒸気および少量の酸素と反応させて一酸化炭素と水素を生成し(ガス化)、触媒を用いたFT(Fischer-Tropsch)反応器で液体炭化水素(燃料)に合成する技術と、微細藻類ボツリオコッカス・ブラウニーから製造した粗油を水素化処理で合成して液体炭化水素(燃料)を合成する技術に関して製造実証や燃焼時の性能特性試験が行われてきた。双方のパイロットプラントで製造されたバイオ燃料(純バイオジェット燃料)と既存の化石燃料を混合したSAFは、国際規格ASTM D7566のAnnex1 またはAnnex7の適合が確認されている。今回、木質由来SAF 2,195 L、微細藻類原料SAF 1.926 L(うち純バイオジェット燃料322 L)が供給された。