東北大学ほか5大学等からなる研究グループは、亜高山帯に分布する枯死木の分解と気候要因の関係を解明した。樹木は大気中のCO2を固定・貯蔵しながら成長し、寿命を終えて分解する際はCO2を放出する。木材の分解には木材腐朽菌(白色腐朽菌、褐色腐朽菌、軟腐朽菌など)が関与しており、それらが木材の成分(セルロース・ヘミセルロース・リグニン等)を選択的に分解する。同研究グループは、中部山岳地帯の代表的な常緑針葉樹である「トウヒ」の枯死木サンプル中の菌類群集を網羅的に調べた。検出された454種の菌類と気候要因との関係を解析したところ、リグニンを分解しない「褐色腐朽菌」の多様性と発生頻度は気温と正の関係にあり、降水量と負の関係にあることが分かった。これは同地ですでに明らかにされている気候とリグニン蓄積(あるいは分解)の関係(Fukasawa et al. 2019, 2020)を支持する結果であり、気候変動に伴い森林のCO2固定機能が変化する可能性が示唆されたという。
情報源 |
東北大学 プレスリリース・研究成果
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機関 | 東北大学 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 気候変動 | 枯死木 | 気候要因 | 木材腐朽菌 | リグニン蓄積 | 中部山岳地帯 | トウヒ | 菌類群集 | 褐色腐朽菌 | CO2固定機能 |
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