三重大学は、アフリカの半乾燥地帯「サヘル」からユーラシア大陸を横断し、東アジアまでつながる気圧変化の「テレコネクション(遠隔相関)」を発見した。サヘル地域はサハラ砂漠の南縁に沿って広がるサバナ気候区で、ヨーロッパの研究者を中心に雨季の拡大・縮小に関する調査が行われてきた。同大学は、本邦の異常気象と熱帯海洋の関係は盛んに調査されているが「熱帯陸上」の影響は看過されてきたことから、過去39年間にわたる観測値の分析と数値シミュレーションによって地球を半周する規模のテレコネクション解明に取り組んだ。今回明らかになったテレコネクションは、サヘル地域の上空で雨雲が発生し、対流が強化されることでアフリカ北部上空が高気圧となり、ヨーロッパ上空で偏西風が蛇行してユーラシア大陸で次々に気圧の高低差が生じ、結果として日本の気温が上昇するプロセスを示唆するもの。日本で観測史上最高の猛暑を記録した2018年はサヘル地域でも記録的な雨量を観測されている。熱帯陸上の雲活動と中高緯度の異常気象に関する研究の新たな展開が期待できるという。
情報源 |
三重大学 三重大リサーチ・ナビ 研究最前線
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機関 | 三重大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 異常気象 | 偏西風 | サハラ砂漠 | 雨雲 | 数値シミュレーション | サヘル | テレコネクション | 雨季 | 熱帯陸上 | 対流 |
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