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 筑波大など、日本海沿岸におけるカワアナゴの北上傾向を確認

発表日:2021.09.21


  筑波大学を中心とする研究チームは、石川県以南で記録されていた魚類「カワアナゴ(Eleotris oxycephala)」を秋田県で発見した。温暖化による水温上昇に伴い、日本近海でもさまざまな水生生物の北限が更新されている。南方に生息する種の急速な分布拡大により、在来種との生存競争、あるいは交雑などの生態系への悪影響が懸念される。同研究チームは、2011年から神奈川県の沿岸域・河川などで魚類の採集調査を継続実施し、台湾や琉球列島、九州南部、四国南部に生息する魚類(以下「南方種」)の太平洋沿岸における北上傾向を明らかにしてきた。今回、「日本海沿岸」における傾向を探るため、秋田県の河川で採集調査などを行った結果、南方種と見られていたカワアナゴの稚魚が採集された。成魚は見い出されておらず、同種の生活史や産卵に適した水温レベルに関する検討を行った結果、採集された稚魚は当該河川で生まれた個体でないと考えられ、南方で生まれた稚魚が対馬海流に乗って約500 km北上した可能性が示唆された。

情報源 筑波大学 TSUKUBA JOURNAL
機関 筑波大学
分野 地球環境
自然環境
キーワード 稚魚 | 温暖化 | 北上 | 秋田県 | 生活史 | 日本海沿岸 | 採集調査 | カワアナゴ | 南方種 | 対馬海流
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