国立環境研究所と(国研)農業・食品産業技術総合研究機構を含む、8カ国・20大学・研究機関からなる国際研究チームは、世界の穀物生産における気候変動影響が従来の予測よりも10年以上早く顕在化すると報告した。気候変動は世界に穀物生産に悪影響を及ぼしており、IPCCによる第5次評価報告書(第2作業部会報告書)では主要穀物(トウモロコシ、ダイズ、コメ)の収量見通し(以下「将来穀物収量」)が2014年に公表されている。今回、同研究チームは、2022年の第6次評価報告書(第2作業部会報告書)公表に向けて、最新の手法に基づく将来穀物収量を先行的に提供した。2014年報告に使用された収量モデル(7モデル)に2014~2021年の間に各国で開発された5モデルを加え、合計12モデルによる計算を行ったところ、今世紀末にトウモロコシは24%減少、コムギは18%増加という結果が得られた(平均収量ベース、1983-2013年比)。また、主要生産国の集中する中緯度地域において、トウモロコシの減収が2030年代後半から顕在化し、コムギの増収が2020年代後半から始まることが示唆された。食料生産における気候変動への適応を前倒しする必要があると結んでいる。