国内ニュース


 国環研、淡水域の生物多様性減少を救う優先課題を提示

発表日:2021.12.03


  国立環境研究所は、ドイツのライプニッツ淡水生態学・内水面漁業研究所(以下「IGB-Berlin」)を中心とする国際的な研究に参画し、淡水域の生物多様性研究を推進するための優先課題を提示した。地球規模における生物多様性の減少が懸念されている。この研究は、とりわけ淡水域(湖、革、湿地など)における生物多様性減少が深刻化しているという視座から、IGB-Berlinが2019年に作成・公表した指針に基づいている。先ず、5分野(情報基盤・モニタリング・生態学・管理・社会生態学)・36項目からなる課題候補リストが作成され、次いで、当該リストを世界の淡水研究者・政策提言者に送付することで36項目の相対的重要性(0-100)に係わるスコア付け等がなされた。リストの送付先については、地理的な偏りを避け、多様な分類群・専門性の研究者が含まれるよう配慮された。最終的に、世界38か国・88機関の淡水研究者95名が選定され、国立環境研究所は日本の代表として調査に協力し、IGB-Berlinの呼びかけによる議論にも参加した。今回、生物多様性データを包括的かつ効率的に収集・共有できる情報基盤の構築、共通の観測手法やDNA情報・市民科学を取り入れた生物多様性観測手法の確立、生物多様性が生態系サービス(自然の恩恵・寄与)をもたらすメカニズムの理解、生物多様性保全の目標と経済や社会のニーズとの対立の可視化・評価など、15の優先課題が特定された。生物多様性保全に関する国際的な目標や各国の環境政策に盛り込まれ、淡水域の生物多様性に係わる研究の進展や保全・管理に向けた具体的な行動につながることが期待されるという。

情報源 国立環境研究所 報道発表
ライプニッツ淡水生態学・内水面漁業研究所 Newsroom
機関 国立環境研究所 ライプニッツ淡水態学・内水面漁業研究所
分野 自然環境
キーワード モニタリング | 生態系サービス | 管理 | 生態学 | 情報基盤 | 市民科学 | DNA情報 | 淡水域の生物多様性 | 社会生態学 | 相対的重要性
関連ニュース

関連する環境技術