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 国環研、二次有機エアロゾルの生成過程を実験的に検証(所内公募型提案研究)

発表日:2022.03.31


  国立環境研究所は、研究プロジェクト報告「二次有機エアロゾル中の低揮発性成分の生成過程に関する研究(平成30~令和2年度)」を刊行した。大気中に存在する粒子は、人への健康影響が懸念される他、直接的・間接的に地球大気の熱収支に影響を及ぼしている。特に、炭化水素などの大気中での光化学反応で二次的に生成する「二次有機エアロゾル(SOA)」は、その生成機構が複雑であるため、気候モデル、物質輸送モデルに大きな不確実性をもたらす要因となっている。本研究は、SOA生成モデルの精緻化を図る上で、SOA生成過程での低揮発性成分の生成機構の理解が不十分であると考え、「モノテルペンの酸化によるSOA生成過程」に関する実験的な検証を行ったもの。3つのサブテーマを設定し、チャンバー実験・表面反応実験・実大気試料分析を実施した結果、低揮発性成分であるSOA生成収率の環境要因(気温や酸性度)依存性や、エアロゾル表面での反応による低揮発性成分の生成プロセスが明らかになり、各種実験の結果を実大気試料で確認することに成功した。SOA生成モデルの精緻化を目指す一連の研究手法等が報告書として取りまとめられ、同研究所ホームページから閲覧できるようになっている(53ページ・カラー、PDF形式・13.7 MB)。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 国立環境研究所
分野 大気環境
キーワード 光化学反応 | 健康影響 | 二次有機エアロゾル | モノテルペン | 低揮発性成分 | 地球大気の熱収支 | チャンバー実験 | 表面反応実験 | 実大気試料分析 | 所内公募型提案研究
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