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 麻布大、「生物季節観測」事業との連携等を強化・教育機関初の試み

発表日:2022.03.25


  麻布大学は、「生物季節観測」の発展的な活用に向けた試行調査(以下「試行調査」)への継続参加などを通じて、気候変動や生物多様性保全に関する教育・研究活動の強化を図る取組を紹介した。生物季節観測の歴史は古く、明治初期に始まったとされている。当初より、季節の遅れ進みや、気候の違い・変化など、総合的な気象状況の推移を把握するために気象台の業務として行われてきた。「生物季節観測指針(1953年制定)」が定められてからは、全国の気象官署において統一した基準により、うめ・さくらの開花や、かえでの紅葉・いちょうの黃葉などの観測が行われ、公表値がマスメディアなどで活用されている。2021年1月に観測対象種目と調査枠組の変更がなされ、現在は「市民参加型調査」の確立を目指す試行調査が併行実施されている(実施主体:気象庁、環境省、国立環境研究所)。同大学は、2021年9月から試行調査に参加しており、第一弾の取組として、人工物や局所的な環境の影響を受けにくい場所に生育している樹木をキャンパス内の「標準木(指標)」として選定し、学生と教員が協力して5樹種の開花や紅(黄)葉の観測や、観測結果の報告・ホームページ発信などに取り組んできた。今回、さらなる取組として、試行調査の事務局を担う国立環境研究所・気候変動適応センターとの共同研究に着手した。市民参加による全国的な観測ネットワークを構築し、データを活用する仕組みづくりの一環として、「学生の参加を基盤とした生物季節観測を構築・維持する手法」を検討する。同大学環境科学科は、新たな科学領域「未来共生科学」を打ち出し、社会連携型プロジェクト学習・フィールドワーク・気候変動の3つの教育・研究プログラムをスタートさせている。2022年以降は、試行調査のみならず、創立60年を迎える野鳥研究部の調査の成果をはじめ、構内に生息する多様な動植物の調査結果を活かした「データサイエンス教育」の拡充を計画している。

情報源 麻布大学 ニュース
機関 麻布大学 国立環境研究所 気候変動適応センター
分野 自然環境
キーワード 気候変動 | 気象庁 | 生物多様性保全 | フィールドワーク | 市民参加型調査 | 生物季節観測 | 未来共生科学 | 社会連携型プロジェクト学習 | 野鳥研究部 | データサイエンス教育
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