オムロン(株)は、マレーシア法人(OMRON Electronics SDN. BHD.)における社会貢献活動の成功ストーリーを紹介した。新型コロナウィルス感染者の爆発的な増加に伴い、マレーシア政府は厳格なガイドラインを設け、国民のマスク着用を義務付けた。一方、使い捨てマスクの不足に歯止めをかけるために、12歳以下の小学生についてはフェイスシールドの着用を推奨した。同国では個人用防護具(PPE)の需要が急増し、同国に進出している製造業各社がPPEの増産に向けて力を結集しなければならない状況となっていた。家電用部品であるリレーなどを中心に月間約1200万台を生産し世界各地へ出荷している同社の現地工場でも、こうした状況を看過できないという気運が高まり、先端技術を活かした社会貢献の一環として、金型を設計・製造する専門技術を応用してフェイスシールドのホルダーを作るという方向性が決まり、エンジニアリング部門の社員を中心とするプロジェクトチームが組成された。チームの構成員は、日常業務で金型・プレス金型・関連するスペアパーツの設計と製造を担当している。具体的な検討が始まり、現在は使われていない金型を用いて、湯道廃棄物から取り出したリサイクル可能なポリカーボネートを活用するという発想が生まれた。湯道廃棄物とは、部品を製造するときに溶融プラスチックを型に流し込むための通路で、通常は製造終了後に廃棄されている。フェイスシールドホルダーの設計にとどまらず、3Dプリントを利用したプロトタイプの作成、実用化テストなども行われた。試作品は現地の学校や最前線の労働者などに寄付されたという。
情報源 |
オムロン(株) EDGE & LINK
|
---|---|
機関 | オムロン(株) |
分野 |
ごみ・リサイクル 環境総合 |
キーワード | リサイクル | マレーシア | ポリカーボネート | プロトタイプ | フェイスシールド | 金型 | プレス金型 | 湯道廃棄物 | 溶融プラスチック | 3Dプリント |
関連ニュース |
|