新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「燃料アンモニア利用・生産技術開発/ブルーアンモニア製造に係る技術開発(事業期間:2022~2025年度)」を本格始動する。近年、製造方法によって水素を色分けする考え方が広まっている。例えば、化石燃料に由来する水素のうち、CO2を回収・貯蔵する工程を組み合わせて製造されたものはブルーで表される。ブルーアンモニアとは、「ブルー水素」を用いて製造されたアンモニアのこと。アンモニアは燃えても窒素と水になるだけで、CO2を排出しないクリーンエネルギー。ブルーアンモニアは製造から燃料利用までの脱炭素化に寄与するため、ブルー水素とともにカーボンニュートラル実現の鍵と見られている。本事業は、天然ガスを主原料とするブルー水素でアンモニアを合成する製造技術の実証を行うもの。CO2回収率90%以上の達成、従来法(ハーバー・ボッシュ法)と同等の生産効率を保ちつつ、消費エネルギーを20%以上削減する、といった実証目標が設定されている。実施(助成)先は(株)INPEX。同社は、本実証試験を開始すべく、新潟県柏崎市・東柏崎ガス田平井地区(以下「実証サイト」)における坑井掘削・地上設備の建設(水素製造施設:年間700トン規模)に向けた調整を重ね、2022年11月15日に最終投資決定(FID: Final Investment Decision)を決議している。同社が描くビジネスモデルは、日本最大級のガス田・油田(南長岡ガス田)で生産された天然ガスを実証サイトまで輸送し、水素とアンモニアを連続生産するともに、副次的に発生するCO2を実証サイト(既にガス生産を終了した枯渇油ガス田)の地中に圧入するというもの。NEDOの支援のもとで国産ガスからのクリーンエネルギー製造に取り組み、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との共同研究において「CO2の分離・回収・利用・貯留(CCUS: Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)」のFSを進める。実証サイトで再び天然ガスが生産されること(EGR:Enhanced Gas Recovery、ガス増進回収)を期待しつつ、壮大な「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」が推進され、ブルーアンモニア製造施設のスケールアップ効果(NEDO目標:6000tonNH3/日、$300/ton-NH3程度)も検証する。
情報源 |
新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース
(株)INPEX お知らせ エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC) ニュースリリース |
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機関 | 新エネルギー・産業技術総合開発機構 (株)INPEX エネルギー・金属鉱物資源機構 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | クリーンエネルギー | アンモニア | 柏崎市 | CCUS | ハーバー・ボッシュ法 | ブルーアンモニア | ブルー水素 | 最終投資決定 | 南長岡ガス田 | ガス増進回収 |
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