広島大学と北海道大学は、リチウム(Li)合金を触媒に見立てた、窒化・アンモニア合成・合金再生までの一連の反応プロセスを見出した。これまで同研究グループは、Liの窒素解離能や、Li合金と水素の反応に関する調査に取り組み(Jain, A. et al., 2016; Yamaguchi, S. et al., 2017)、従来法(ハーバー・ボッシュ法)および既往の触媒利用プロセスとは異なる、より低温・常圧下におけるアンモニア合成法の研究を進めてきた。今回、リチウムと錫(Sn)を混合し熱処理することで「Li-Sn合金」を作製し、グローブボックス内で水素・窒素・アンモニアガスの質量分析、自家製のガスフロー型装置による触媒特性の評価などを行ったところ、従来法よりも温和な400℃以下・1気圧程度の条件下で、窒化反応、アンモニア合成反応が進行し、既往の触媒利用プロセスでは困難とされていた低エネルギー条件で、Li合金の再生・繰返し利用が可能であることが明らかになった。今後、Sn以外の元素を組み合わせたLi合金の検証などを進め、貴金属触媒を使わない、小型分散型のアンモニア合成技術としての展開を目指すという。
情報源 |
広島大学 研究成果
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機関 | 広島大学 北海道大学 ハイドロラボ(株) |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 低温 | 北海道大学 | アンモニア | 広島大学 | ハーバー・ボッシュ法 | リチウム合金 | 常圧 | 低エネルギー | 擬触媒 | 小型分散型 |
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