ルネサス エレクトロニクス(株)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発(事業期間:2018~2022年度)」において、画期的なAIチップを開発した。AI技術はめざましい進展を遂げており、クラウド上・サーバシステム上のAIに加え、スマートフォンなどの端末に内蔵された「オンデバイスAI」が急速に普及している。同社は、東京工業大学、同大学発のAIベンチャー・SOINN(株)および三菱電機(株)と連携し、複雑なタスクを処理する動的再構成プロセッサー(DRP:Dynamically Reconfigurable Processor)をベースに、高度なAI処理を低消費電力で動作させる組み込みAIチップの実用化を目指し、アーキテクチャーと設計支援ツールの開発を進めてきた。今回、同社独自のAIアクセラレーターと、電力効率をさらに高めるAI軽量化技術を組み合わせ、新たなAIチップモデルを作製することに成功した。AIがある問題をある速度で処理する際の消費電力や効率の指標となるTOPS(tera operations per second)を評価した結果、当該モデルは1W(ワット)当たり10TOPS(10兆回/秒)の電力効率を有することが確認された。本プロジェクトでは、現場の環境やタスクの変化にも自律対応するエンドポイント学習システムの開発が併行実施され、基本動作も実証されている。これらの成果は、低消費電力かつリアルタイムでの応答が要求されるAIデバイスへの組み込みが可能であり、セキュリティカメラや自動搬送車、サービスロボットなどのさまざまな新製品の開発に貢献し得るものであるという。
情報源 |
新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース
ルネサス エレクトロニクス(株) ニュース |
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機関 | 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ルネサス エレクトロニクス(株) 東京工業大学 SOINN(株) 三菱電機(株) |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 低消費電力 | リアルタイム | 軽量化技術 | AIチップ | オンデバイスAI | 動的再構成プロセッサー | DRP | AIアクセラレーター | TOPS | エンドポイント学習システム |
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