東京理科大学の生野准教授らは、「色素増感太陽電池(DSC)ベースの光電子シナプス素子」を開発し、物理リザバコンピューティング(PRC)に応用することに成功した。──新たな光電子シナプス素子は、光強度を変化させることで時定数を制御できるもので、光強度に応じてペアパルス促進(PPF)やペアパルス抑制(PPD)といったシナプス可塑性の特性を示す。また、時系列データの処理において、入力パルス幅が変化しても光強度を調整することで高い計算性能が得られることが確認されている。──一方、開発したPRCデバイスは消費電力を抑えつつ、人の動作を90%以上の精度で判別できる。カメラで撮影した人の動作を用いた動作認識タスクでは、屈伸、ジャンプ、走るなどの各動作を80%以上の精度で識別し、全体の認識精度は92%に達した。これにより、DSCベースの光電子シナプス素子は、少ないピクセル数でも人間の視覚システムに匹敵する認識性能を持つものとなりそうだ。──今後の展開について、生野准教授は「今回開発したデバイスは、あらゆるモノやヒトに貼り付けて利用できるエッジAI光センサとして応用可能であると考えています。車載カメラやセンサ、スマートウォッチ、医療機器など、さまざまな分野での実装が期待されます」とコメントしている。
情報源 |
東京理科大学 プレスリリース
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機関 | 東京理科大学 |
分野 |
環境総合 |
キーワード | 低消費電力 | 高精度 | 色素増感太陽電池 | エッジAI | 光電子シナプス素子 | 物理リザバコンピューティング | シナプス可塑性 | 動作認識 | 自己給電型 | ニューロモルフィックコンピューティング |
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