環境省と(独)国立環境研究所は、2010年度(平成22年度)の温室効果ガス排出量(確定値)を公表した。同省は、地球温暖化対策の推進に関する法律等に基づき、毎年、我が国における温室効果ガスの排出量及び吸収量を算定し、公表している。2010年度の温室効果ガスの総排出量は、12億5,800万トンで、これは京都議定書の規定による基準年(CO2、CH4、N2Oは1990年度、HFCs、PFCs、SF6は1995年)の総排出量と比較すると0.3%の減少となった。前年度の総排出量と比べると、産業部門をはじめとする各部門の二酸化炭素排出量が増加したことなどで4.2%増加した。その原因としては、2008年に発生したリーマンショック後の景気後退からの回復の中で、製造業等の活動量の増加に伴い産業部門からの排出量が増えたこと、猛暑厳冬により電力消費が増加したことなどが挙げられる。なお、2010年度の京都議定書に基づく吸収源活動の排出・吸収量は、約4,990万トン(森林4,890万トン、都市緑化等110万トン)の吸収となった。これは、基準年総排出量の約4.0%(うち森林吸収源対策による吸収量は3.9%)に相当する。