国内ニュース


 57年間で3267億米ドル!侵略的外来種が都市の財政を圧迫

発表日:2024.05.27


  森林総合研究所の亘(わたり)主任研究員を含む国際研究チームは、都市における侵略的外来種の経済コストを初めて明らかにした。同チームは生物侵入の経済的コストに係る世界規模の推定を目的とする、InvaCostプロジェクトのデータベースを駆使し、外来種が生物多様性におよぼす直接的な影響のみならず、侵入によって惹起された経済的影響を計算した。その結果、イエシロアリなどの建築物害虫やアオナガタマムシ、ヒアリなど、61種の侵略的外来種が1965~2021年にかけて累計で3267億米ドルの経済コストを引き起こしていたことが判明した。この損失は、侵略的外来種が経済に少なからぬ影響を与える、重大な問題であることを示唆している。InvaCostデータベースの構築は、侵略的外来種の経済コストに対する意識の高まりから生まれた。しかし、この調査はまだ不十分な部分があり、全体像を把握するためには各国政府や自治体、研究者の積極的な報告が必要だ。パリ・サクレ大学を中心とする国際プロジェクトがその主導を取り、22言語に及ぶ報告資料の収集と解析を継続的に行われている(DOI:10.1016/j.scitotenv.2024.170336)。

情報源 森林総合研究所 研究成果
機関 森林総合研究所
分野 自然環境
環境総合
キーワード 生物多様性 | 都市環境 | 環境影響 | 侵略的外来種 | 経済コスト | InvaCostデータベース | コスト試算 | イエシロアリ | 経済損失
関連ニュース

関連する環境技術