野生生物に各種センサーを取り付け、その行動や生息域の環境を観測する技術(バイオロギング)が目覚ましい発展を遂げ、さまざまな新知見をもたらしている。他方、陸域で騒音が問題視されているように、海洋でも船舶の往来に伴う騒音などが増加し、気候変動を受け、これまでにない音の発生が見込まれ、音の伝わり方なども変化している。―――京都大学との産学連携から生まれた日本発のバイオロギング専門会社「Biologging Solutions株式会社(本社:東京都中野区)」は、全国水産技術協会らと共同で、「海中の多様な音(生物音・自然音・人為音)の風景(水中サウンドスケープ)」をセミリアルタイムで観測するシステムを世界で初めて開発した。先ず、ウミガメに“広範囲かつセミリアルタイムにサウンドスケープを収集するロガー”を取り付け、あらゆる水中音を潜航中に観測する。次に、得られた水中音データをエッジAIにて分類し、ウミガメが浮上した時にその位置や一連の行動データ(深度、温度、加速度、地磁気)と紐づけ、携帯電話網(LTE-M通信)や衛星通信を用いて即時送信するというものだ。水中サウンドスケープは海洋生物に少なからぬ負荷をおよぼす。本技術は、生物多様性の把握や保護区の管理の管理をはじめ、海中騒音の監視、違法漁業の検出といった海洋環境をめぐるさまざまな問題に応用可能である。また、世界各地の海洋に多点展開することができれば、外洋域も含む広範囲の同時観測が可能となり、海洋研究の革新につながることが期待される(DOI: 10.1038/s41598-024-56439-x)。
情報源 |
Biologging Solutions(株) PR TIMES投稿記事
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機関 | Biologging Solutions(株) |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 野生生物 | センサー | 海洋生態系 | ウミガメ | バイオロギング | ディープラーニング | アザラシ | 水中サウンドスケープ | エッジAI |
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