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 ミヤコカナヘビは年に2世代が回ることもある早熟・短命なトカゲだった!

発表日:2024.07.29


  琉球大学理工学研究科博士後期課程の安里さんと同大学熱帯生物圏研究センターの戸田准教授は、ミヤコカナヘビの生活史を解明した。ミヤコカナヘビ(トカゲ亜目カナヘビ科)は沖縄県宮古島市(宮古島、池間島、伊良部島、大神島等)にのみ生息する固有種で、環境省第4次レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類に指定されている。安里さんらは5年半にわたる調査を通じて、ミヤコカナヘビの幼体がとても早く成長し、多くの個体が1年以内に命を終えることを突き止めた。また、春に孵化した個体は2.5〜3ヶ月後に産卵できるようになり、夏以降にその卵から孵化した仔トカゲ(2世代目)が翌年の春までに成熟することが分かった。調査データを詳細に分析した結果、2世代目の生存率は1世代目よりも高く、約半数がその年の繁殖に寄与していることが示唆された。このような生活史特性が季節性のある地域のトカゲで確認されたのは初めてのことで、亜熱帯の温暖な気候が“年に2世代サイクル”を可能にしたと考察している。ミヤコカナヘビの個体数は2000年頃から急速に減少しており、種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」にも指定されている。安里さんらの成果はミヤコカナヘビの保全対策に重要な知見をもたらすものとなっている(DOI:10.1093/cz/zoae038)。

情報源 琉球大学 研究成果
機関 琉球大学
分野 自然環境
キーワード ライフサイクル | 絶滅危惧種 | 国内希少野生動植物種 | 生活史 | 亜熱帯気候 | 保全対策 | 生活環 | トカゲ | 宮古諸島 | ミヤコカナヘビ
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