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 貝殻で法面侵食や雨水浸透を抑制…海洋酸性化の防止にも有効?

発表日:2024.07.31


  飛島建設と茨城大学は、国土交通省の技術開発目標である「粘り強い河川堤防」を検証するため、「シェルネット型破砕貝殻層」の越水実験を行い、侵食抑制効果を確認した。実験は堤防裏法面を模擬した傾斜水路(長さ4.0 m、幅0.4 m、高さ0.6 m、勾配1:2.0)で行われた。3つのタンクを配置し、越流水の調整とポンプ循環を実施しながら、ミリ波レーダーで越流流速をリアルタイムで測定した。水深0.3 mで3時間、流速3 m/s超の実験条件のもと、越流水を循環させたところ、シェルネット型破砕貝殻層が最大20%の侵食率で機能することが明らかになった。また、破砕貝殻層が毛管力の働きによって形成される遮水層(キャピラリーバリア層)を創出し、雨水浸透を抑制する効果があることも確認された。両者は、ホタテ貝殻の重量の約43%がCO2であることから、法面浅層部に埋設することでCO2の地中固定化も可能であると見ている。今後は、シェルネット型侵食抑制工の設計・施工および維持管理に関する具体的な検討を進め、海洋酸性化の抑制対策としての有効性などを検証し、早期実用化を目指すという。

情報源 飛島建設 ニュースリリース
茨城大学 NEWS
機関 飛島建設(株) 茨城大学
分野 環境総合
キーワード 海洋酸性化 | CO2固定化 | 粘り強い河川堤防 | 破砕貝殻 | シェルネット | 侵食抑制 | 傾斜水路 | ミリ波レーダ | キャピラリーバリア | シェルネット型侵食抑制工
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