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 有機炭酸そのものを初検出~理解深まる!表層から海洋深部マントルにおよぶ炭素循環

発表日:2024.08.06


  大気中のCO2濃度が増加傾向にある。18世紀後半の産業革命以降、人類がエネルギーを得るために化石燃料を燃焼させてきたことが主因だ。一方、地球の体積の8割を占めるマントルには膨大な量の炭素が存在している。地球内部の炭素は火山活動を介して放出され、大気中のCO2濃度を増加させる一因となっている。大気圏・水圏・生物圏をめぐる炭素の流れ(炭素循環)には、人間活動の影響に主眼を置く、数百~数千年以下の時間スケールと、地球の何億年という歴史を踏まえた「地質学的時間スケール」が存在する。近年、マントルの流動やプレートの運動によって形成されたダイヤモンド鉱床が浅海で発見され、(通称)海底ダイヤとして商業的な採掘が行われるようになった。しかしながら、マントルの上部に「有機炭酸」そのものが含まれているかどうかについて確たる証拠はつかめていなかった。---東京大学大気海洋研究所の秋澤助教を中心とする共同研究チームは、先行研究でマントル由来のダイヤモンド(以下「海底ダイヤ」)が確認された南太平洋のアイツタキ島で採取したマントルのかけら(捕獲岩)をマイクロスケールで解析し、その起源がマントル表層から運ばれた有機炭素であることを解明した。先行研究では海底ダイヤに関する人的混入の可能性が指摘されていたが、本成果はそれを払拭し、地殻から海洋深部マントルに至る長期的かつ大規模な炭素循環の存在を裏付けるものとなった。

情報源 東京大学大気海洋研究所 プレスリリース
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機関 東京大学大気海洋研究所 京都大学 広島大学 東京工業大学 千葉工業大学
分野 地球環境
キーワード 炭素循環 | マントル | CO2濃度 | 有機炭酸 | 地質学的時間スケール | 海底ダイヤ | プレート運動 | マイクロスケール解析 | 捕獲岩 | 南太平洋アイツタキ島
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