松江市は、三光株式会社 江島工場を環境教育等促進法に基づく「体験の機会の場」として新たに認定したと発表した。これは、持続可能な社会の担い手を育成するため、五感を活用した体験型学習の場を提供する制度であり、全国で35か所目の認定となる。
「体験の機会の場」制度は、環境教育等促進法第20条に基づき、都道府県知事や指定都市の長が認定するもので、安全性や実施体制などの基準を満たした施設が対象となる。認定施設では、自然体験や環境学習を通じて、参加者が環境問題を自分事として捉え、行動変容を促すことが期待されている。
今回認定された三光株式会社 江島工場(島根県松江市)は、リサイクル施設、産業廃棄物処理施設、排熱利用による陸上養殖施設などを備えた総合環境施設である。1993年に操業を開始し、マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルを組み合わせた効率的な資源循環を実現している。また、再生可能エネルギーの活用や排熱の有効利用といった省エネ・創エネ活動にも注力している。──同工場では、地域の子どもたちを対象とした出前授業や工場見学などの環境教育活動を継続的に実施しており、今回の認定により、より多くの市民が環境保全の現場を体験し、持続可能な社会の構築に向けた意識を高める機会が提供されることとなる。
本認定は、地域に根ざした企業の環境教育への貢献を制度的に評価するものであり、今後の地域連携型環境学習のモデルケースとなる。