国際協力機構(JICA)は8月28日、中南米・カリブ地域における生物多様性保全に資する事業を展開する企業への投融資を目的として、インパクト投資ファンドEcoEnterprises Impact Management, LLCとの間で出資契約を締結したと発表した(案件名:生物多様性保全事業)。
EcoEnterprisesは、女性経営者が率いるインパクト投資ファンドであり、アグロフォレストリー(森林農業)や環境再生型農業、サーキュラーエコノミー(循環型経済)など、自然環境の保全と地域経済の両立を目指す事業に重点的な投資を行っている。今回の契約で、同社が運営する第4号ファンド(EE IV)に対し、JICAが1,000万米ドルを、米州投資公社(IDB Invest)、国際開発金融公社(IFC)、オランダ開発金融公庫(FMO)、カナダ開発金融機構(FinDev Canada)、スイス新興市場投資基金(SIFEM)などの開発金融機関および民間投資家と協調出資する形となる。
インパクト投資ファンドの出資先は、アサイーフルーツ加工業(ブラジル)や種苗育成を行う環境再生型農業企業(コロンビア)など、地域の自然資源を活用しつつ持続可能な生産活動を行っている企業が中心となる。JICAは、これらの企業に対する金融アクセスの改善は、中南米・カリブ地域における健全な事業成長を促し、結果として同地域の生物多様性保全の推進に寄与すると評価している。