帝人(本社:大阪市北区)は、使用済みポリカーボネート(PC)樹脂を再生し、新品同等の品質を持つ高品質なリサイクルPC樹脂を開発した。溶媒を用いて樹脂を溶解・精製する「ソルベントベースドリサイクル(以下、ソルベントリサイクル)」技術を採用している。
循環型社会の実現に向けてリサイクル材の活用が加速する中、欧州では新車製造時に廃車由来プラスチックの使用を義務づけるELV規則案が検討されており、リサイクル材の普及と関連技術の開発が急務となっている。PC樹脂は透明性や耐衝撃性に優れ、自動車部品や電気・電子部品など幅広い分野で使用されるが、従来のマテリアルリサイクルでは異物混入による品質低下が課題であり、ケミカルリサイクルはコストやCO₂排出量の面で制約があった。同社が開発したソルベントリサイクルは、回収したPC樹脂を溶解・精製し、再利用可能なポリマーへ戻すことで高い透明性を確保するもの。これにより、廃棄されたヘッドランプを新しいヘッドランプへ再生する水平リサイクルが可能となり、リサイクル材の普及を促進する。また、化学的分解を伴わないため、ケミカルリサイクルと比較して製造コストを低く抑え、製造工程でのCO₂排出量削減にも寄与する。帝人は2026年度中の商業化を目指し、品質向上に向けた研究開発を継続する方針だ。
| 情報源 |
帝人 ニュース
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|---|---|
| 機関 | 帝人(株) |
| 分野 |
ごみ・リサイクル |
| キーワード | 循環型社会 | マテリアルリサイクル | ケミカルリサイクル | ポリカーボネート | 透明性 | 再生プラスチック | 水平リサイクル | CO₂削減 | ソルベントリサイクル | ELV規則 |
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