京都大学大学院工学研究科の大北准教授らの研究グループは、(独)科学技術振興機構(JST) 課題解決型基礎研究の一環として、「色素増感高分子太陽電池」における高効率化の原理を解明した。高分子太陽電池は、現在主流の結晶シリコン系太陽電池よりも製造が簡単で低コスト化につながるため、次世代太陽電池として注目されている。しかし、利用できる光が可視光領域に限られ、太陽光の約4割を占める近赤外光の利用が困難なため、変換効率が低い(最大約8%)という課題があった。そこで同研究グループは、近赤外光を吸収する「色素」を、高分子太陽電池を構成する「高分子材料」と「フラーレン」の界面に配置し、変換効率を高めた「色素増感高分子太陽電池」を2009年に開発。今回さらに、色素がこの界面に配置されるのは、熱力学的に安定なためであることなどを解明した。この原理は、せっけんなどの界面活性剤が、表面エネルギーの低い「油分」と表面エネルギーの高い「水」の界面に集まる様子と似ているという。今回の成果により、これまで困難であった高分子太陽電池への色素増感の応用が進み、高分子太陽電池全体としての高効率化への寄与が期待されるという。
情報源 |
京都大学 研究成果
(独)科学技術振興機構(JST) プレスリリース |
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機関 | 京都大学 (独)科学技術振興機構(JST) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 太陽電池 | 科学技術振興機構 | 京都大学 | JST | 高効率 | 界面活性剤 | 色素増感 | 高分子 | 近赤外光 | 表面エネルギー |
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