東京大学と石川県立大学は、(独)農業生物資源研究所、(独)農業環境技術研究所との共同研究により、カドミウム汚染土壌を効率的に浄化できるファイトレメディエーション用イネを開発した。ファイトレメディエーションとは、植物の力を利用して環境を浄化する技術のこと。今回の研究では、人体への毒性が高く、イタイイタイ病の原因物質として知られるカドミウムに着目し、土壌からのカドミウム除去のために、カドミウムの吸収・集積力が高いイネの開発を行った。イネにおけるカドミウムの吸収・集積力を決める鍵となるのは、OsNRAMP5という遺伝子。今回、この遺伝子の発現を減少させた新品種において、従来のカドミウム高吸収品種の約4倍のカドミウムを集積することが示された。今後、今回の成果をもとに、カドミウム汚染土壌の効率的な浄化が進めば、農作物からのカドミウム摂取量が減少し、食の安全への貢献が期待されるという。また、今回の研究手法と成果は、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故による放射性物質の土壌汚染と食品汚染の問題解決に向けても重要な示唆を与えるという。
情報源 |
東京大学農学生命科学研究科 プレスリリリース
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機関 | 東京大学農学生命科学研究科 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 東京大学 | 農業環境技術研究所 | イネ | カドミウム | 遺伝子 | イタイイタイ病 | 品種開発 | 石川県立大学 | ファイトレメディエーション | 農業生物資源研究所 |
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