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 東京大学など、コメのカドミウム汚染をなくす遺伝子を発見

発表日:2012.11.06


  東京大学大学院農学生命科学研究科と(独)農業環境技術研究所は、コメのカドミウム汚染をなくす遺伝子を発見したと発表した。カドミウムは、人体に有害な物質で、イタイイタイ病の原因として知られ、汚染された土壌で育った作物を摂取することによって人体に取り込まれる。日本人の場合、食品からのカドミウム全摂取量の40~50%がコメに由来している。今回の研究では、イオンビーム照射によって開発したカドミウムをほとんど吸収しないコシヒカリ変異体から、低カドミウムの原因となる遺伝子(以後、変異遺伝子)を発見した。また、変異遺伝子を検出できる遺伝子マーカーも開発。このマーカーを利用することにより、通常の交配育種によって効率よく他のイネ品種に変異遺伝子を導入できるため、ほぼ全てのイネ品種においてカドミウムの吸収とコメへの蓄積を低く抑えるように品種改良できる。コメからのカドミウム摂取量はこれまでに比べて極めて低くなり、食の安全とコメを主食とする人々の健康に貢献することが期待されるという。

情報源 東京大学農学生命科学研究科 プレスリリリース
機関 東京大学農学生命科学研究科 農業環境技術研究所(現:農研機構 農業環境変動研究センター)
分野 健康・化学物質
キーワード 東京大学 | 農業環境技術研究所 | イネ | カドミウム | 遺伝子 | 米 | コシヒカリ | 突然変異体 | イオンビーム
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