環境省は、火力発電所リプレースに係る環境影響評価手法の合理化に関する事業者向けガイドラインをとりまとめ、経済産業省原子力安全・保安院及び地方公共団体に送付した。同ガイドラインは、老朽化した火力発電設備を撤去・更新する事業(以下、火力発電所リプレース)のうち、温室効果ガスや大気汚染物質等による環境負荷の低減が図られるとともに、土地改変等による環境影響が限定的なケースについて、環境影響評価に要する期間が短縮できるように手続の合理化を行うもの。具体的には、大気質、温排水等については、燃料種の転換や発電方式の変更により、リプレース前後で環境負荷が低減する等一定の条件に合致する場合に、モデルの活用や既存データの活用により、現地調査や予測手法の簡略化を可能とした。また、動植物については、予備調査で重要種が発見されなかった場合や、緑地を改変しない場合等に、予測・評価の対象からの項目削除を可能とした。これにより、上記のような一定の条件に合致する火力発電所リプレースについては、1年程度の環境影響評価手続期間の短縮効果が期待されるとともに、新型火力発電所の稼働が早まることに伴い、二酸化炭素の排出削減につながるとしている。