(独)国立環境研究所は、同研究所の研究成果を分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第44号「試験管内生命で環境汚染を視る-環境毒性の in vitro バイオアッセイ」を刊行した。培養細胞や微生物を使った毒性試験であるin vitroバイオアッセイは、化学物質の毒性を評価するために幅広く利用されている。同試験法は、実験生物を用いた通常の試験法に比べ、安価で迅速に化学物質等の毒性を測定できることから、環境汚染物質のモニタリング手法やスクリーニング試験法として特に有効であるとされている。しかし、産業の高度化とともに対象とすべき環境汚染物質も、ガス状・粒子状物質、揮発性・難溶性ガス、高分子生理活性物質、内分泌かく乱化学物質等と多様化したことから、同試験法は技術的な改良を重ねてきた。今号では、同研究所で35年余りにわたり綿々と続けられてきた、培養細胞や微生物を使ったバイオアッセイ手法の構築と改良の歴史を紹介している。