三菱重工業(株)は、泡の力で船体と水の抵抗を減らす、同社独自の空気潤滑システム(MALS)をフェリーに初めて搭載し、5%以上の省エネ効果を確認したと発表した。同システムでは、ブロア(送風機)を使って船底から噴出した空気が、細かい気泡となって船底をカーペットのように覆うことで、航行時の船体の抵抗を減らすことができる。今回、平成24年9月27日に就航したマルエーフェリー(株)の「フェリー波之上」にMALSを搭載。海上運転による速力試験で、波高2.5~3mの悪条件ながら5%以上の燃費改善効果(推進馬力低減)が確認され、高速・やせ型船でも摩擦抵抗の低減効果が得られることが検証できた。同社では今後、フェリー波之上の実運航状況をフォローし、MALSの省エネ・CO2削減効果を確認していく。また、奄美や沖縄の美しい自然を守る環境にやさしい装置としてMALSの活躍が期待されるという。