日本郵船(株)と三菱重工業(株)は、海上輸送でのCO2削減策として共同開発した、船底に空気を送り込んで泡の力で船舶と海水の摩擦抵抗を低減させるシステムの実証実験を行うと発表した。今回実験を行うのは、日本郵船グループの日之出郵船(株)運航のモジュール運搬船(特殊重量物輸送船)。この船は、幅広で喫水が浅い特徴をもち、水圧が比較的小さくて船底に空気を送りこむ際の送風機の必要電力量が小さいことや、船底が平らで幅広のため送り込んだ空気を船底部分に滞留させやすいことなどから、CO2削減効果の検証がしやすいという。今回、約10%のCO2削減効果を見込んでいる。実験内容は、1)燃費削減効果の検証、2)様々な運航・海象条件下で船底に送りこまれた泡の動きの確認、3)送り込む空気量と効果の関係検証、4)CO2削減効果の実証。なお、同プロジェクトは、国土交通省から平成21年度の「船舶からのCO2削減技術開発支援事業」の補助対象事業として選定を受けているという。