大学研究室紹介

「地域・環境問題への総合的アプローチ」(島田幸司教授)

立命館大学経済学部環境・デザイン・インスティチュート 島田研究室(ゼミ)

研究内容

  • テーマ:
  • 地域・環境問題への総合的アプローチ
  • 概要:
  • 環境問題への統合的アプローチ
    21世紀の社会を持続可能なものとするためには、人間活動の基盤となる環境を保全することが不可欠であり、各種の問題への統合的な対処方法を模索します。

    研究テーマは、
    ・低炭素地域社会形成のための中長期シナリオ研究
    (キーワード:低炭素社会、地域、中長期、シナリオ、定量評価)
     概要:2030〜2050年の中長期にわたって地域の社会経済を低炭素化するための定量的シナリオを導出する手法を開発し、実地域の政策形成への適用を試みています。
    ・居住選好を考慮したコンパクトシティの統合評価手法の開発に関する研究
    (キーワード:コンパクトシティ、居住選好、コンジョイント分析、統計確率モデル、費用便益分析、統合評価)
     概要:居住選好特性を考慮した経済・工学的手法を用いて、需給両面から見たコンパクトシティの統合評価を構築するための研究を行っています。
  • キーワード:
  • 環境システム, 環境政策
  • 学部体系:
  • 人文社会科学系(経済学系), 理工学系(土木建築学系)
  • 研究分野:
  • 地球環境(交通とエコモビリティ関連, その他地球環境関連)

    おうみ三方よし政策モデルの概念図。持続可能な滋賀社会の実現に向けた政策モデルを提案したものです。

    研究室概要

  • 大学・研究室名:
  • 立命館大学経済学部環境・デザイン・インスティチュート 島田研究室(ゼミ)
  • 研究室の特色・PR:
  • (1)ゼミテーマの間口が広いので、ゼミ生の問題意識や関心に応じて個別テーマを設定してきています。2008年度は、次のような研究グループがあります。(i)都市・住宅の環境評価(ii)環境・CSR経営(iii)環境行動要因分析(iv)食料・農業と環境(v)エネルギーテーマは多岐に及びますが、問題の背景にある様々な要因を統計解析で明らかにしていくという手法は共通です。そのため、ゼミの前半では統計解析手法のマスターにも力を入れています。(2)就職先は、製造業、流通、金融などの総合職や地方公務員上級職が主です。必ずしも環境部署に配属されるわけではありませんが、健全な環境マインドを持った人材が社会の各方面に輩出することは長期的にみれば意義あるものと信じています。
  • 先生のプロフィール:
  • 氏名:
    島田幸司
    出身大学:
    京都大学工学部衛生工学科
    出身大学院:
    京都大学大学院工学研究科環境工学専攻
    卒業研究のテーマと概要:
    学部:土壌微生物による水質浄化機能の評価
    大学院:地球温暖化対策の副次的効果推計モデルの開発
    職歴など:
    1986〜2003年 環境省等において行政官として勤務
    2003年〜(現在に至る) 立命館大学にて研究・教育に従事
  • 所属学生の人数:
  • 11~20人程度
  • ゼミの恒例行事(旅行・実習・調査など):
  • 1泊2日程度
    年 1回
    2泊~1週間未満
    年 0回
    1週間~1か月以内
    年 0回
    1か月以上
    年 0回
  • 研究室連絡先:
  • 滋賀県草津市野路東1-1-1

    研究室メンバーからのメッセージ

    【2006年度卒業生の声】
    島田ゼミをあいうえお作文します。
    「カ…環境
     キ…期待
     ク…苦言、苦悩
     ケ…結果
     コ…これから」
    これが2年間、島田ゼミで学んできた感想です。『環境分野を学びたい』という一心で島田ゼミを選択し、期待していたわけですが、ゼミがはじまると予想以上に厳しく、怒濤の2年間でした。大変厳しいゼミであり、根性と忍耐が必要とされるゼミでした。しかしながら、このゼミでの学びは、結果として振り返ると専門性を身に着けられたと共に、他では味わえない苦労とその後にヒシヒシとこみ上げる達成感を得ることができました。さらに、この経験が今後の糧となり、活かせていけるような成長ができたと深く感じています。 

    先生からのメッセージ

    (1)環境問題への統合的なアプローチとは
     近年の環境問題の特徴は、生じる被害が広範囲に及び将来世代にも渡ることやその原因が人類の活動全体と複雑に絡み合っていることです。このような問題への対処には、自然科学や社会科学の多くの分野における知恵を結集するとともに、政策決定者だけではなく広く市民や民間企業などに対して、研究成果を分かりやすくかつ正確に伝えていく必要があります。
     例えば地球温暖化問題では、気候変動やその影響の予測、温室効果ガスの排出削減技術の開発、税・課徴金などの政策の効果分析といった分野での研究を連携しながら進め、これらの成果をひとつのパッケージとして政策決定者などに訴えかけていく努力が続けられています。
     特に地球環境問題の解決にむけた実際の取組みはまだ緒についたばかりであり、本格的な対策はこれからが本番ということになりますが、多岐に及ぶ研究成果を統合し、これらを世に伝えていく作業の重要性はますます高まっていくでしょう。

    (2)大学進学に向けたアドバイス
     以前は環境系の進学先としては理工系学部が中心でしたが、近年人文社会学系の選択肢も増えてきました。例えば、環境法、環境教育、環境経済、環境経営などの分野があげられます。文理融合系の学部・学科もいくつかあります。
     企業の環境経営やCSR経営が重視されるようになってきた中で、社会では幅広い知識を消化した上での総合力が求められてきていると思います。

    (3)大学入学後に必要なこと
     やや地味ですが、読み・書き(日本語、英語)、そろばん(数学、情報処理)をしっかり身につけたうえで、論理的思考やコミュニケーション能力を磨いてください。また、統計学は文系・理系問わず重要です。

    (2009年1月現在)