欧州環境局は、新たな技術に潜むリスクの「早い段階での警報」に、適切に対応することを促す報告書を発表した。報告書では、科学者のリスク軽視や企業の利益優先の姿勢により対応を怠った場合、健康や環境への甚大な被害を招くとし、その事例として、水銀中毒やプラスチックの内分泌撹乱物質など20例を分析。このほか、携帯電話やナノテクノロジーの「警報」も検討した。今日、技術発展のペースは速く、人間社会はそのリスクを事前に理解し被害を避けることが難しくなっている。これに対し、報告書は「予防原則」に則る必要を訴え、分析結果に基づきこの原則が技術革新を妨げるのではなく促進し、「誤った警報」を頻発させる懸念もないとしている。報告書は提言として、科学者は生物や環境の系の複雑さを認識すること、政治家は早期かつ迅速な対策を実施すること、市民が技術革新やリスク分析の方針決定へ参加することのほか、リスク評価では「有害であるという証拠はない」を「有害でないとの証拠がある」と誤解してきたことを反省し、不確実性を広くとらえるよう求めている。
情報源 | 欧州環境局(EEA) プレスリリース |
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国・地域 | EU |
機関 | 欧州環境局(EEA) |
分野 | 健康・化学物質 環境総合 |
キーワード | 技術開発 | プラスチック | 水銀 | EEA | 環境影響 | 健康被害 | リスク評価 | 内分泌撹乱物質 | 欧州環境局 |
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