ドイツ連邦環境省の委託を受け、再生可能エネルギー国際経済フォーラム(IWR)は、ドイツの風力発電研究に関する調査報告書を公表し、「風力発電分野でドイツは技術的には世界をリードしているが、研究の面では制度に改善の余地がある」と結論づけた。風力発電以外のエネルギー分野では、国境を越えたノウハウの集積や、後進の育成が進んでおり、太陽光発電のフラウンホーファー研究所、太陽熱発電のドイツ航空宇宙センター等ドイツの研究所は世界的にも知られている。他方、ドイツの風力発電研究は地域分散型が特徴。報告書は、現在まで培ってきた風力発電研究の土壌を壊すことなく、能力を伸ばしていくためには、地域ごとに分散している研究体制をまとめ、拡大・強化する必要性を指摘し、特に重要な地域として、西部ではライン・ルール地方、北部ではブレーメン、ブレーマーハーフェンを挙げた。世界的にもトップレベルにあるドイツの風力発電研究を発展させるため、連邦環境省もこうした体制作りを進める施策に取り組む考え。