海外ニュース


 北極圏の海氷上の雪面で日照により放出される臭素が大気を浄化、アメリカの研究者らが報告

発表日:2013.04.19


  北極圏では、海氷上の雪面で日照により放出される臭素が、オゾン等の大気汚染物質を分解しているとの研究成果を、アメリカの研究者チームが報告した。地表近くの大気中オゾンは温室効果を有し、生物にとっての有害物質でもある。報告によると、極地の低温下では、海塩由来の気体臭素が大気中のオゾンを効率よく破壊するなどして大気浄化を担っているとみられる。臭素は極地に多いがその発生源は未解明だったため、研究チームはアラスカで実験を行った。その結果、気体臭素は日照を受けた海氷やツンドラ上の雪面で発生・放出されることが判明、オゾンの存在が気体臭素の発生量を増やすこともわかったという。また、臭素原子とオゾンが反応して生成される一酸化臭素の濃度を航空機から測定したところ、雪で覆われた一年氷やツンドラの上空で最も多く観測され、実験結果が裏付けられた。この反応は海氷上の雪面で起きるため、研究者らは、近年急速に進行している海氷の減少が高緯度地方の大気化学のバランスに壊滅的な影響を及ぼす恐れがあると懸念している。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 大気環境
キーワード アメリカ国立科学財団 | NSF | 北極圏 | オゾン | 海氷 | ツンドラ | 大気浄化 | 臭素 | 大気汚染物質
関連ニュース

関連する環境技術