アメリカの科学者らは、新たに掘削された氷床コアから、最終氷河期に北極で始まった気候変動が主に海流によって南極へ広まったことを示す一貫したパターンを見出したと発表した。この研究は、アメリカ国立科学財団(NSF)が助成する西南極氷床(WAIS)分水嶺プロジェクトの一部として行われたもの。研究チームは、氷床コアから6万8000年以上にわたる気候史のデータ(温室効果ガスの大気濃度、地表気温、風のパターン、平均海水温等)を分析した。そこから、最終氷河期に北大西洋のグリーンランド周辺海域で急激に起こった気候変動が南方に広がり、約200年後には南極に達していたことが示されたという。また、この気候変動の伝播は、主に海流による南北半球間での熱の再分配によって引き起こされていたことが示唆された。研究チームは、海流が過去の気候変動に及ぼした影響を解明することで、現在起きている人為起源の気候変動がどのように地球規模で伝播するかを予測するのにも役立つとしている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | 気候変動 | 温室効果ガス | アメリカ国立科学財団 | NSF | 南極 | 氷床コア | 北極 | 海流 | 氷河期 |
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