アメリカ国立大気研究センター(NCAR)等の科学者らは、落葉樹が大気中の一般的な化学汚染物質を従来予想より3割程度多く吸収・除去することを示す研究成果を発表した。この研究では、各地の生態系で含酸素揮発性有機化合物(oVOC)の量を測定し、落葉樹が従来予想の4倍も速い速度でこの化合物を吸収していることを突き止めた。特に、樹木の密集した森林での吸収機能が高く、取り込まれたoVOCの97%が林冠(森林の高木層の上部)によるものであった。またポプラを観察した結果、物理的な傷やオゾン等の刺激物によりストレス状態にある場合に、oVOCの吸収量が急激に増えていた。研究者によれば、これはストレスを受けた樹木が身を保護するために代謝を活性化させる際に、大気中の化学物質も分解するためであり、植物の複雑な代謝プロセスが大気浄化という副次的な効果をもたらしているという。oVOCは長期にわたって環境と人の健康に影響を及ぼす化合物で、大気中の炭化水素等の化学物質から大量に生成され、大気化学反応や気候にも影響を及ぼす。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 健康・化学物質 大気環境 |
キーワード | 炭化水素 | 大気汚染 | 森林 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 代謝 | 大気浄化 | 落葉樹 | 含酸素揮発性有機化合物 | oVOC |
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