森林を測定し、その構成物質の詳細な三次元マップをカラーで描き出す新たなレーザースキャナを、イギリスの科学者らが開発し市場化している。これは、レーザー光線を用いたライダー(LiDAR)スキャナで、エジンバラ大学の科学者らが、イギリス自然環境研究会議(NERC)の資金を受けて開発し、独立の企業体として事業を進めている。従来のLiDARは単一の波長だけを使うため、モノクロ画像しか作れなかったが、この新LiDARは4種類の異なる波長で森林を測定し、カラー画像を作成する。森林の物質を区別することが可能になったことで、森林に貯蔵されている炭素量をより正確に推定でき、森林の健全度も示せるという。航空機に搭載すれば、広域を短時間に測定でき、地上からではわからない遠隔地のマップ化も可能になる。森林の炭素量を正確にとらえることは、国連のREDD(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出の削減)など、森林の貯蔵炭素を排出炭素と相殺する炭素取引などには不可欠であり、木材産業での植林地の状態監視等にも役立つという。