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 世界の森林バイオマスを正確に測定する衛星観測プロジェクト、欧州宇宙機関が承認

発表日:2013.05.07


  欧州宇宙機関は、世界の森林バイオマスを正確に測定する新たな地球観測プロジェクトを承認した。同プロジェクトでは、4億ユーロをかけて2020年から5年間、熱帯・温帯・亜寒帯の森林バイオマスを衛星から正確に捉えた地図を作成する。樹木は炭素を吸収・固定するので、森林が破壊されると炭素は大気中に放出され、地球の炭素循環のバランスが崩れて気候に影響を及ぼす。しかし、熱帯においては森林の地上観測データが特に少なく、今後の炭素循環や気候変動の予測にばらつきがあるのが現状である。このため同プロジェクトでは、波長70cmのレーダーセンサーを用いて200m単位で森林の高さと樹木量を調査する。頻繁かつ正確な測定を一貫して行うことで、予測モデルの向上に役立てるという。観測データは、気候や地球システムの科学者だけでなく熱帯地方等の森林管理者も利用でき、火災による森林蓄積への影響や、森林周辺への人口拡大の影響も調査可能となる。プロジェクトでは、熱帯林の管理向上を促す国連REDDプログラムにも寄与できると期待している。

情報源 イギリス自然環境研究会議(NERC) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 イギリス自然環境研究会議(NERC)
分野 自然環境
キーワード 衛星 | 森林 | バイオマス | イギリス自然環境研究会議 | NERC | 観測 | 地図 | 炭素 | 樹木 | 欧州宇宙機関
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