イギリスエネルギー・気候変動省(DECC)は、炭素回収貯留(CCS)政策でこれまで実施した施策と現状の方針をまとめた文書を公表し、情報や意見の募集を開始した。イギリスでは、炭素排出削減に有効なCCS技術が、他の低炭素技術と同等のコスト競争力を持つよう、10億ポンドのCCS商業化プログラムを進めている。第一段階として、ピーターヘッド、ホワイトローズの二つの商業規模のプロジェクトを開始しており、その基本設計に1億ポンドを投資した。この2つを合わせた炭素排出削減量は年間およそ300万トンになるという。これに続く第二段階のCCS開発に向けて、今回公表された政策文書では、政府のCCS推進の姿勢を明確にするとともに、CCSの様々な側面についての課題と方針を明らかにした。具体的には、CCS開発資金の調達と財政奨励策、輸送・貯蔵インフラの強化、石油増進回収、バイオエネルギーとの組み合わせによる炭素吸収、回収したCO2の活用(CCU)、政府助成プロジェクトから新事業への知識の移転等が盛り込まれている。