アメリカ海洋大気庁と環境保護庁は、オレゴン州の沿岸非特定汚染源管理計画について、林業による水質汚染への対策が不十分として否承認の決定を下した。非特定汚染源とは、汚染物質を河川や湿地、沿岸水域に運ぶ流出水などの広範な汚染源をいう。同国では、全米沿岸域管理プログラムに参加する沿岸各州に、沿岸水域への汚染流出の防止・管理方法に関する沿岸非特定汚染源管理計画の作成を義務付けている。オレゴン州では、汚染流出により沿岸域の水質や絶滅寸前のサケ・マスの生息域が悪化している。管理が不十分な伐採地から流れ出る泥水は、生息地を破壊するほか、サケ・マスの稚魚を死滅させ、上流域での産卵を阻む可能性があるという。同州は当初の計画に沿岸域保護の新たな措置を追加したが、両庁は、林業による小・中規模河川への被害防止、地滑り多発地域の保護、古い林道からの流出水対策が不十分と判断した。しかし同州は、魚を育む河川の保護向上を目指すルール作りに着手するなど積極姿勢を示しており、両庁も計画の不足部分を補う支援を続けるという。